こんにちは!このブログでは、定年後に自分好みの日本酒を造ることを目標に、日本酒に関する知識を深めていく 過程を発信しています。
前回の記事では、なぜ日本酒を作りたいのか、その想いを綴りました。今回は、「日本酒造りの基本」について、実際にどのような工程で日本酒が作られるのかを解説していきます!
日本酒造りの全体の流れ
日本酒は、シンプルに言えば「米・水・麹・酵母」を使って発酵させたお酒です。しかし、その製造工程はとても繊細で、多くの手順を踏みながら造られていきます。
日本酒造りの基本的な流れは以下の通りです。
- 精米(米の外側を削る)
- 洗米・浸漬(米を洗い、水に浸して吸水させる)
- 蒸米(米を蒸して適切な状態にする)
- 麹造り(蒸米に麹菌を繁殖させる)
- 酒母造り(発酵を安定させるためのスターターを作る)
- 醪(もろみ)造り(発酵を進めてアルコールを生成)
- 搾り(もろみを搾って酒と酒粕に分ける)
- 火入れ・貯蔵・瓶詰(品質を安定させ、出荷)
それぞれの工程が味わいに大きな影響を与えるため、順番に詳しく見ていきましょう。
1. 精米|米を削ることで味が変わる
日本酒の原料である米は、そのままではなく 外側を削る「精米」 という工程を経て使用されます。
お米の外側にはタンパク質や脂質が多く含まれており、これが雑味の原因になるため、削ることでスッキリとした味わいに仕上がります。
「精米歩合」 とは、削った後の米の重量が、もともとの玄米の何%に相当するかを示す指標です。
- 精米歩合 70% … しっかりとした味わい
- 精米歩合 50% … すっきり上品な味わい(吟醸酒)
- 精米歩合 35% … 雑味が少なく、フルーティーな風味(大吟醸)
一般的に、精米歩合が低いほど香り高く洗練された味わいになり、高級酒として扱われます。
2. 洗米・浸漬|適切な水分を吸わせる
精米した米は、米ぬかを取り除くために洗い、適切な水分を吸収させる 必要があります。
この工程で重要なのは、吸水時間の管理 です。米は一度水に触れると急速に水を吸うため、適切な時間で引き上げることが美味しい酒造りのポイントになります。
- 高精白(精米歩合50%以下)の米は短時間で吸水する ため、数秒単位で管理
- 普通酒や本醸造酒の米は比較的長めに浸漬する
3. 蒸米|米をふっくらと蒸し上げる
浸漬した米は、蒸気で蒸し上げます。これにより、デンプンがアルファ化(糊化) し、後の糖化や発酵がスムーズに進むようになります。
蒸米の状態は、麹造り・酒母造り・もろみのそれぞれで異なる仕上がりが求められます。
- 麹米 … しっかり硬めに蒸す(麹菌が繁殖しやすい状態)
- 掛米 … やや柔らかめに蒸す(発酵しやすい状態)
4. 麹造り|日本酒の味を決める重要な工程
麹造りは、日本酒造りの中でも特に重要な工程です。
蒸した米に 「麹菌」 を振りかけて繁殖させ、デンプンを糖に分解できる状態にします。これが 「米麹」 となり、酒の甘みや旨味の元になります。
麹の種類には以下のような違いがあります。
- 黄麹 … 一般的な日本酒造りに使用され、甘みと旨味を引き出す
- 白麹 … 焼酎造りによく使われるが、酸味が強く日本酒にも一部採用される
- 黒麹 … 泡盛などに使われる
特に、日本酒の香りや味わいを左右するため、麹造りは杜氏(酒造りの職人)が最も気を使う工程の一つです。
5. 酒母造り|発酵を安定させるためのスターター
「酒母(しゅぼ)」とは、発酵を安定させるための酵母を培養したものです。
酒母には主に 「速醸系酒母」 と 「生酛(きもと)系酒母」 の2種類があります。
- 速醸系酒母 … 乳酸を添加して発酵を安定させる(モダンな製法)
- 生酛系酒母 … 乳酸菌の力を利用してじっくり発酵させる(伝統的な製法)
速醸はスッキリとした味わいに、生酛は複雑でコクのある味わいになりやすいです。
6. もろみ造り〜8. 搾り、火入れ、貯蔵
この後、酒母にさらに麹や蒸米、水を加えて 「もろみ」 を作り、発酵を進めます。数週間かけて発酵したら、最後に搾って日本酒が完成します。
一般的な日本酒は、ここで 「火入れ」(加熱処理)を行い、熟成させた後に瓶詰めして出荷されます。
まとめ|日本酒造りは奥が深い!
日本酒造りの基本をざっくり解説しましたが、どの工程も酒の味に大きく影響を与えます。
次回は 「自分好みの日本酒を作るためのポイント」 について、さらに深掘りしていきます!お楽しみに!
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